TREE TO BAR

TREE TO BAR とは、苗から育てたカカオ豆を使い最終製品であるチョコレートをつくる生産のあり方を意味します。私達がTREE TO BAR にこだわった理由が3つあります。

1.カカオアロマの遺伝子は発酵で決まる

製品としてのチョコレートのポテンシャルはカカオ豆次第です。それではカカオ豆の風味はどのように作られるのでしょうか?

それは「発酵」です。農家は苗から木を育て、収穫したカカオから豆を取り出し、発酵、乾燥した後出荷します。この一連の作業がチョコレートの味を決めていきます。

カカオのアロマはカカオ豆を焙煎することでひきたちますが、その香りの遺伝子はカカオ豆が出荷される時にすでに決まっているのです。それを決定づけるのはチョコレート菓子職人ではなく農家の人達です。

しかし、カカオは市場に出荷されるとグレードごとに分類されトン当たり幾ら、で売られるコモディティとなります。そこでは他のカカオ豆と区別なく流通するため、カカオ豆の個性をつくる「発酵」作業の価値が認められることがありません。

私達はカカオの風味を決める農家の作業を市場における価値として顕在化させたいと思いました。農家が原料となる豆を出荷するだけではなく、最終製品まで作っていくことで、変動の激しいカカオ市場価格によって生活をコントロールされるのではなく、農家が自らの作品の価値を決めていくことができます。

ppt_fermentation.fw

2.「選ぶ」よりも一緒に「育てる」

カカオ豆からチョコレートを作るチョコレート生産者は常に「選ぶ」立場にあります。

私達は良いカカオ豆を「選ぶ」ことよりも一緒に「育てる」ことを大切にしたいと考えました。カカオを育てた農園の中でチョコレートまで作っていくことは、 長期的なコミットメントが必用です。

生命は一回の収穫サイクルの期間を超えて続きます。継続的に健康的な生命を育んでいくための環境づくりが求められますが、その見返りに品質に対する完全な責任をとることができます。

ppt_grow.fw

3.他のココヤシ・カカオ農家と希望の共有

苗から最終製品まで一貫して一つの農園の中で完結する生産モデル。この試みが成功すれば、それは今後、多くのココヤシ農家がカカオを同時に育て、独自ブランドのチョコレートを作り、自ら設定した価格で顧客を作ることで、より安定した経済的価値を手にしていく見本となることができます。どれだけ多くの農家が勇気づけられるでしょう。

それは希望を作ります。一つの農家の成功は、「私にもできるかもしれない」という夢を周りの農家に与えることができます。「成長」への可能性が見えた人の中に起こる変化を通して社会が変わっていくのです。

生活科学はこの事業にかかわる全ての方々の成長・安定・発展を作っていくことを目指します。生産者と消費者がお互いに豊な価値の交換ができる関係づくりをTREE TO BARが実現してくれると信じています。

Share